1/1付 プレスリリース「聖地チベット〜ポタラ宮と天空の至宝展〜」への抗議署名提出・実行委員会との一問一答

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By IAATE, 2010/01/11 21:15

日時 2010年1月1日(金)14時
場所 上野の森美術館
提出先 株式会社大広 聖地チベット展実行委員会委員長 鶴巻泰介様
提出物 抗議署名約600名分
参加者 Makoto Sasa(国際連盟) Team Tibet (Tatsumura Yukari), Pardenkai (Mr.Osada)

提出までの経緯

dsc_3831s上野の森美術館で催されている「聖地チベット〜ポタラ宮と天空の至宝展」での展示内容が、チベットの文化背景についての記述が欠落していることに対して遺憾の想いを伝えたいと集まった有志の方々による株式会社 大広、上野の森美術館、日本文化庁への、抗議の署名活動は多数の賛同を得ました。
有志代表が、多くの皆さまからの署名を聖地チベット展実行委員会委員長 鶴巻泰介氏に直接手渡しをしたいとコンタクトをしたところ、1月1日に上野の森美術館館長のご配慮のもと、同美術館にて面談、抗議署名が受理され、以下はその際の会談の様子をまとめたものです。

なお、署名手渡しの様子は写真でもご覧いただけます。

http://nekomimi.la.coocan.jp/free_tibet/ft100101/

1.今回のチベット展開催の経過について

質問:
今回のチベット展開催の経過についてお尋ねします。このチベット展の開催については、たくさんの抗議が届いているかと思います。本来ならチベットに縁を持っている人間にとっては、チベット展そのものが日本で開催される事はむしろ大変喜ばしいことです。しかし、この展覧会開催の背後には、中国共産党(*注:主催である中国国家文物局は政府機関であることを前提)が居り、中国共産党政府がチベットの民族や文化をコントロール下においた状態で、チベット文化を如何に擁護しているか、をアピールするために行われている、いわばプロパガンダ的なチベット展であると考え、私達は抗議の声をあげています。そのことは理解して頂けていますか?

チベット展実行委員会実行委員長(以下:実)
理解というか、そのような声が寄せられている事は確認しております。
この展覧会の発端は弊社が中国からのコンテンツを探していた時に、ドイツでのチベット展の話を担当者が入手しました。
それで日本でもそれらの文物を借りられるか、という交渉を始めました。大広が中国共産党から依頼を受けて行っているのではありません。準備を始めたのは、2005年か2006年くらいのはずです。

質問:
御社に中国国家文物局に居た方がいらして特別のつながりがあると聞いていますが?

実:
それは半分事実です。でもそれは大広が中国から文物を借りてくる時のルートのひとつです。(このような展示会では)、普通に貸して下さいと言っても貸してくれるものではなくて、ルートを開拓していかなくてはなりません。開拓してきたルートは1回つながれば、他の物も借りることが出来ますので、それを利用します。

質問:
実行委員長はこの展覧会を担当されるにあたって、中国とチベットについてご存知でしたか?チベット問題についてはご存知でしたか?

実:
チベットについてはあまり知りませんでした。チベット問題があるということは知っていました。ダライ・ラマという名前は知っていましたし、亡命されて今は亡命政府を持たれているという事実は知っています。また、ダライ・ラマ法王はノーベル平和賞を貰っているということは知っていますし、それに対し中国側がコメントをしていたというのは知っています。

質問:
準備期間中に聖火リレーが世界中で非難を浴びていたのですから、展覧会を見直そうとは思わなかったのですか?

実:
去年の春の段階では、すでに(中国政府から)展示品を貸して頂けるということになっており、その為の支払いも済ましていました。当然チベット展の準備を継続できるかどうかを社内で検討しました。

質問:
内定ですよね?お金を払ったから、実施するほか無いということですか?


こういった事情(2008年のチベット騒乱)があるので、九州国立博物館と、北海道立近代美術館がどういう判断をされるか?打診しました。その時に、九州国立博物館・北海道立近代美術館・大阪歴史博物館・仙台市博物館ともに、チベット展(開催準備)は継続すると判断しました。チベット展は開催するということであるなら、大広は文物を日本に持ってくるという仕事がありますので、そのようにしたという状況です。

質問:
全体の仕切りは大広に責任があると思います。今回は中国政府からの依頼で行っているのではない、ということですが、そういうことであれば、展示内容を正しく伝えることは充分に出来たと思います。今からでも展示内容を正しく伝えることは遅くはないと思いますが、中国政府から干渉されているということはあるのですか?

実:
それは全くありません。

質問:
ということは、これからも展示内容を修正する事は可能ですね?

実:
大広の哲学としましては、チベット展で何かしらの啓蒙をしようとは思っていませんし、効果を見ようという発想も持っていません。ひとつの美術的・希少的価値のある物を紹介する。歴史的背景を交えてという話は無いです。

2.主催者側のチベットについての理解と立場

質問:
これらの展示品は文化です。文化を創ったというチベット人がいて、ダライ・ラマ法王が来日しているのに法王をお招きするわけでもない。展示会の政治的背景を理解しているからしょうがないとは思いますが、このようなことは異常です。このような展覧会というのは、歴史的にこれを創った人々に対するリスペクトは絶対的に持っていなければいけないものだと思います。
中国政府の干渉がないのであれば、これだったら内容に入れられるというようなことを、在日チベット人やチベットサポーターと相談しながら変えていくということは可能ということですよね?開会式ひとつとってもわかりますが、中国人の大使が呼ばれているにも関わらず、何故在日チベット人は呼ばれていないのですか?

実:
(無言)

質問:
実行委員長は今回チベット展の実行委員長になられたわけですけど、チベットに対して自分は、ダライ・ラマ法王の名前くらいしか知らない、ただ美術的価値があったから、この展示会をやったということですか?そうだとすれば、私達にしてみればかなりショックなことです。


知識というのは何に対する知識ですか?

質問:
まずポタラ宮がどのような役割を果たしていたかということ。また、そこにあった仏像がどのような役割を果たしていたか、ということを理解していないと思います。昨年10月〜11月にかけてダライ・ラマ法王が来日されました。ポタラ宮にあった物は、もともとはダライ・ラマ法王のものです。
チベット展なのですから、チベットの最高指導者が来日された時に、お招きしてチベット展をこのように開催しています、という招待を打診してもよかったのではないでしょうか?そうではなく、むしろ避けたのは何故ですか?これだけのものを展示しているのに、ここにダライ・ラマ法王の写真が無い。ダライ・ラマ法王とのつながり一切書いていないということは、主催者が中国にとても気を使われているのではなく、敢えて書いていないのですか?あれだけの専門家の力により、背景も全部調べ上げ、立派な図録を作ったにも関わらず、歴史的な記述が何故、出来ないのでしょうか。


私共は基本的に、展示物について、その年代とか、どのようにして創られたのか、とかいう部分は記載しております。それと同時にそれを説明するに必須な、チベット仏教というものはどのような形かという説明は入れています。しかしこの展示会は、今のチベットの状況というようなものを広く知ってもらおうということではありませんし、逆に中国側の主義・主張をサポートする意図もありません。

3.「チベット人はいない」発言について

質問:
チベット問題がある、ということを知っていながら、「チベット人は存在しない」などと発言したりすることは、認識が無いというよりモラルの欠如だと思うのですが。


これについてはお詫びします。チベット族という言葉に、蔑称の意味が込められていることを知らずにいました。この展示会の開催については、8月くらいから各方面から抗議の電話が入っています。
それぞれがどんな団体かもわからない、という状況の中でいろいろな話がきました。頂いていた抗議の電話の中で「チベット人について」という問いかけがあり、それに対し答えようとした途端に、「あなたはこれに答えるということは、チベット人が存在するということを認めるのですね。チベット人が存在するということは、国籍がチベットという人がいるということを認めるわけですね。だとすればチベット独立の為に協力するようなチベット展の内容にしなさい」ということを言われました。
チベット人と発言すること=チベットのナショナリティ=チベットの独立を推進する立場であるというふうに、電話で抗議されたあとだっただけに、そのような発言をしてしまいました。このことについては、本当に申し訳なく思っています。後から反省してみて、「チベットのかた」と言えば良かったと思っています。

質問:
チベット人、チベット族という呼び方に関しては、深い意味があって、日本のマスコミにしても昔はほとんどチベット族と報道していましたが、最近ではチベット人に変ってきています。ですから、大広もここでチベットと看板掲げて商売するのであれば、それくらいのことは考えるべきです。実行委員長は、今は悪かったと思っているのなら、どうして謝らないのですか?

実:
連絡先を聞いていませんでしたし、あの段階で法王事務所は、この展覧会に関して何のコメントも出していない状態でした。そこに私が突然法王事務所に連絡し「私はこういう発言をしました。すみません。」と連絡することもどうかと思いました。私は人種差別になるとは思っていなかったのです。「誇り高いチベット族」という意味だと思って使ったつもりでした。

質問:
謝罪は今からでも遅くないと思います。対話を続けて頂きたいと思っています。今回色々と話をさせていただき、このような抗議の声があるということを受け止めていただければと思います。

4.展示会の主催者は誰か? 商売になれば何でもありか?

質問:
大広というひとつの大きな企業がチベット展を行うことは、必ずメリットがあり、採算がとれると考えてのことだと思います。でも東京ではそれほど入場者数が伸びていないようにも聞いています。あれだけの新聞広告を出しているのですけども、実際に採算はとれているのでしょうか?

実:
大広の立場はコンテンツを持ってきて、展覧会をやりたい、というところにお貸しして代金を頂きます。
東京においてのみ、主催者となっていますが東京以外の会場では、大広は展覧会を開くためのコンテンツを借りてきて提供しているだけです。パンフレットを見てもらえるとわかると思うのですが、東京以外では大広は企画協力になっております。採算は取れたと思います。会場すべて終わってみなければわからないことですが。

質問:
中国政府からは今回は一切のお金は出ていないのですか。


出ていません。出してもらえるとありがたいです。

質問側の感想
日本の広告代理店が、お金になりさえすればいいのだという態度でチベット展を開催しているということがよくわかって、今回のお話で私達は日本人としてチベット人に対して、恥ずかしいことをしてごめんなさいという気持ちになりました。

5.チベット人不在のチベット展

質問:
この展示品は、中国側が出してくれたということですが、出してもらった展示品に対して、それが正しいものであるという証明はどのような形で出されているのでしょうか?

実:
事前調査に図録に書いてある専門家が3回くらい中国に行っています。僧侶や貴族の方の持ち物であった、という状況の中で、ひとつひとつの作品の来歴だとかについて伺いました。ポタラ宮やノルブリンカなどは中国の宝物展で保管されていたものです。あとはチベット博物館にあるものです。

質問:
お寺からも持ってきちゃったのですか?

実:
お寺から借りたものも数点あります。

質問側の感想:
もしも無理矢理、お寺からもってきていたりすれば、おまけに、チベット文化を守って来たチベット人たちの心情を顧みない展覧会を中国側の一方的な位置づけで開催するというのは 恥ずかしい行為であって、会社の中にも上の方にもわかって欲しい。と強く思いました。

質問:
ここ上野の展覧会には、ダライ・ラマ法王の写真もなく、真実を伝えず美術展をやる上で、主催者の姿勢に疑問を持ちます。次の展覧会でも開会式をしますね?また中国のプロパガンダを参加させるのですか?

実:
それは、次は主催者でないのでわかりません。

質問:
では私達が主催者に言えばいいのですか?でもこうやって膝を交えて話をしたのですから、ここは実行委員長から次の主催者の方にこういう話があったと伝えて頂きたい。

実:
先ほども言いました通り、九州・北海道については誰を呼ぶかと言うのは主催者が決めていて、大阪・仙台も同じです。大広は上野のみ主催です。

質問:
ではここ上野でやってください。上野で展示会をやっている間に、在日のチベット人を呼んでください。
チベット人たちが、今ここにある仏像とかを守ってきた。中国政府が守ってきたわけではない。今あなたたちがチベットの仏像でお金儲けできるのは、これをチベット人たちが守り抜いてきたからです。

実:
ご意見はわかりました。
私の一存で決められることではなく、会議で検討したいと思います。

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