プレスリリース(9/29)

By IAATE, 2009/09/29 07:30

東京:上野の森美術館で開催中の「聖地チベット 〜ポタラ宮と天空の至宝〜」展に対する抗議行動が行われる中、同展覧会運営委員会代表の「チベット人は存在しない」発言に、チベット人とチベット支援者たちが強い遺憾の念を表明

9月18日、一般公開に先駆け公開された「聖地チベット 〜ポタラ宮と天空の至宝〜」展のプレス、VIP向けの内覧会で、開催会場の上野の森美術館前や上野公園周辺で在日チべット人とその支援者たちは抗議行動を行いました。

展覧会では「チベット文化を総合的に紹介する」と謳いながら、中国がチベットを侵略 した歴史や、ポタラ宮の主であったダライ・ラマ14世については全く触れられておらず、中国政府はこの展覧会を通じ、文化的側面から「チベット支配の正当性」を広く世界中に認知させようとしている事実に抗議し啓蒙しようと、在日チベット人とその支援者たちは、抗議活動の一環として、仏教徒として祈りを捧げたり、チベットの国旗を手に持ちながら、一般の展覧会入場者に展覧会の真実を伝えるビラを配るなどの活動を行いました。様々なチベット支援者、抗議活動団体が見守るなか、展覧会開催記念式典が屋外スペースで開始されると、特別ゲストとして出席した在日本中国大使のスピーチは、中国がいかにチベット文化を保護しこれらの貴重な至宝を守り続けて来たか、というチベット支配の正当性を主張することで通され、抗議行動参加者の怒りと在日チベット人の更なる悲しみを新たにさせました。

▽内覧会抗議の様子:http://www.youtube.com/watch?v=_CEZafwTOoQ

開催初日19日には「チベットの真実を伝えるピースウォーク」が行われ、自由な言論が認められている国の一員として、この展覧会が隠すチベットの歴史の真実を伝えるため150名以上のチベット人と支援者が上野恩賜公園までを行進しました。その様子の動画はこちらでご覧いただけます。

▽ピースウォーク動画: http://www.youtube.com/watch?v=-2MrzIyf69I

また、9月18日の内覧会開催中、チベット展に抗議する国際連盟メンバーで、チベットの自由を求める元良心の政治囚パルデン・ギャツオ老僧の壮絶な生き様を描いた「雪の下の炎」を撮影したドキュメンタリー作家、楽真琴さんと在日チベット人ドルマさんが、株式会社大広チベット展運営委員会代表と直接展覧会の問題点について会話をしたところ、チベット展運営委員会代表は、展覧会の見解として「チベット人は存在しない。(中国の少数民族である)チベット族しか存在しないという立場で(行っている)。」と語った、ことに世界中のチベット支援者からの注目が集まっています。

▽その様子はこちらでご覧いただけます(日本語):
http://www.youtube.com/watch?v=bQN1ykiJo4I

▽英語字幕付き With English Subtitles:
http://www.youtube.com/watch?v=sOz_uHg7DXU

この発言は明らかに中国政府のチベット同化政策に同調したものであり、チベットを取り巻く問題に対する中立性を全く無視した、企業として良識のない、無知な発言といえるでしょう。

さらに、本来、“族“とは民族や氏族といった共通の文化や言語、価値観の上で共同生活を営む集団のことをさすものであり、国際法上での権利として 各民族集団が自らの意志に基づいて、その帰属や政治組織、政治的あり方を決定し、他民族や他国家の干渉を認めないとする集団的権利である民族自決権が認められているものです。中国を含む国際人権規約締約国は自決権を保障する国際法上の義務を負っています。

中国とチベット両国にかかる問題について、チベット人の主張はこの民族自決権に基づいた高度な自治を求めるものであり、現在チベット自治区と言われながら、本来享受されるべき自決権が犯されている現状の矛盾にもここで、問題提起をしたいと思います。

また、当連盟にチベット展運営委員会から送られた抗議文の返信、”開催に至る経緯と展覧会の趣旨” (参照:www.seichi-tibet.com/news/2009/08/daiko_replay/)の中では「チベット仏教美術の素晴らしさを広く紹介する展覧会」といいながら、それを作り出し、守り抜いて来たチベット人仏教者達の主張と権利を根本から否定し、国際社会全体で実現の努力を重ねるチベット問題解決に背を向けたものと判断せざろう得ません。自由な発言が認められている国の市民として、私達はチベット問題の平和的解決という国際的な要請に対して,社会に貢献する日本の一企業が、人権問題や人道的責任を無視し、単純に金銭的利害のみを追求していることに対し、企業のモラルを問い、抗議を表明します。
現在、この チベット展運営委員会代表の発言を含む動画は世界中に向かって発信され、世界中に点在する亡命チベット人達やその支援者の間で、人権問題への思慮と良識を欠いた発言として、話題になっています。

北京五輪開催中にチベットの現状を涙ながらに訴え、拘束された経験をもつ英国在住のチベット人ペマ・ヨーコ(Pema Yoko)さんはこのビデオを見てこう語りました。

Message from Pema Yoko

pemayoko

2008年8月、北京で抗議活動を行うペマ・ヨーコさん(英国テレビより)

“As a half Japanese Tibetan I  have been overwhelmed and proud of the support of the Japanese people towards Tibet and Tibetans since China’s illegal occupation of Tibet. This exhibition is 100% stolen, full of lies and full of ignorance, the fact that the exhibition represntative believes Tibetan people dont exist is evident of this and is devastating to the nation of Tibet who are trapped under an oppressive violent regime, the Chinese Communist Party. However, I believe the Japanese people will not be fooled of this repeated reinvented propaganda of Tibet by the Chinese government. Tibetans in Tibet and in exile along with our supporters including many Chinese people will not give up on the well being of Tibetans in Tibet”.

日本語訳
「日本人とチベット人のハーフとして生まれ、日本の皆様のチベットとチベット人に対する、ご支援に対して深く感謝を申し上げます。そして、常日頃からの皆様のご支援を大変誇りに感じております。
この展覧会は100%チベットから不当に盗まれたものを展示したものであり、嘘と無知で満ちたものであることは、展覧会運営委員会の代表が、ビデオで見られるような”チベット人は存在しない”との発言が、顕著に物語っています。
今も武力による中国共産党の弾圧に喘ぐチベット人民にとって、(この発言が)これほど惨いことはありません。と同時に私は日本の皆様が、中国政府によるチベットに対する度重なるプロパガンダによって、簡単にだまされることがないことを確信しています。私達はチベット本土のチベット人、亡命チベット人そして多くの中国人を含む、私達の支援者とともに、チベット人の幸せを取り戻す努力を諦めることはありません。」

また、今後も連盟は日本企業であるチベット展協賛企業に対し、チベット問題に対する双方の主張を踏まえた、日本独自の中立な見解を持っていただくことに対して、一層のはたらきかけをしていく所存であります。

また、今年11月に予定されているダライ・ラマ法王来日講演は、上野の森美術館でのチベット展の開催期間中ということで、これまで諸外国を回って来たこれらの美術品を展覧してきた同名の展覧会とダライ・ラマの訪問が重なるといった大変まれな機会でもあり、今後の動向が注目されます。ダライ・ラマ法王は今年で亡命50年を迎え、チベット仏教の最高指導者として、そして600万人のチベット人を代表して、現在もチベット問題の一日も早い平和的解決に向けて、休むことなく世界各国を訪問しています。

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所からは、展覧会に際し、以下のような公式コメントを発表しました。

http://www.tibethouse.jp/news_release/2009/090928_appeal.html

「聖地チベット ~ポタラ宮と天空の至宝~」展に関して
日本の皆様へのお願い

2009年9月28日 ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
ご承知の通り、日本で「聖地チベット ~ポタラ宮と天空の至宝~」と題したチベット展が巡回され、現在、東京・上野で開催中です。チベットに関するいかなる展覧会も歓迎すべきなのですが、残念ながら今回の展覧会は、チベットとその歴史の真の姿を伝えてはいないということをお伝えせねばなりません。

世界中でよく知られているように、1949年に中国共産党軍がチベットに侵攻して以来、平和的で信仰心厚いチベット人たちは、はなはだしい苦しみや虐待にさらされています。その結果、約120万人のチベット人が亡くなり、6千以上の僧院が破壊されました。

この展覧会の展示や文書は、日本国民を欺き、中国政府がチベット文化の善意の保護者であると信じさせるよう、意図的に作られています。実は、真実は逆なのです。チベットでは、今でもチベット人の信教と文化の自由は弾圧され続けています。昨年のチベット動乱がその証拠です。チベットが今日も封鎖されているという事実が、何よりも声高に物語っています。

もし主催者の方々が、この展覧会がチベット人のために行われていると信じるなら、チベットの真の歴史的背景と、ダライ・ラマ法王の亡命の理由、そして世界的問題となっているチベット問題について正しく展示し、呼びかけることで、関心を持つ人々に誤解を与えないようにすべきです。それどころか、中国政府に、チベットの封鎖を解いて本物のチベットを世界に見せるよう促すべきです。

チベットの状況は深刻です。残念なことに、この自由の国で、あるエリートや知識人の方々が、正義のために立ち上がる代わりに、チベットの悲惨な状況に投資を行っているのが見受けられます。

多くの日本のチベット支援グループや個人の方々が、展覧会と主催者に対し様々なデモを行っていることを知りました。皆様の純粋な関心や支援には感謝いたしますが、平和的に活動し、一切の暴力を行わないようお願いいたします。重要なことは、企画者と来場者の方々に、チベットの実情は異なっていることを知っていただき、世界が中国のプロパガンダである展覧会にだまされないようにすべきです。

この自由の国の皆様と報道関係者の皆様には、両者の意見を聞いていただき、真実と正義と人間性を支持していただくよう、お願いいたします。

ありがとうございました。

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
代表:ラクパ・ツォコ

追記:

参考英語記事:http://www.tibetcustom.com/article.php/20090919142150738

CAT:http://www.tibet.net/en/index.php?id=1124&articletype=flash&rmenuid=morenews&tab=1#TabbedPanels1

中華人民共和国建国60周年の今年は、独立国家であったチベットが中国によって侵略されてから50周年です。 侵攻を受ける前のチベットは独自の言語、文化をもち,主権を確立した政府のもとに貨幣、郵便、司法制度をもつ独立国家でした。 その後チベット人は自国でその独自の文化が厳しく制限され阻害され、何千何百というチベット人が中国による支配の結果、拷問、処刑、自殺や餓死と言った理由で死亡しています。
そのような中国による支配下の不満を訴えた2008年3月10日の抗議行動がチベット高原を覆い尽くして以降、中国政府は拷問、拉致、殺害に対する隠蔽工作を広範囲に及んで行っています。また政府主導による悪意に満ちたプロパガンダ工作を展開し、ノーベル平和賞受賞者であるダライ・ラマ法王を徹底的に批判し続けています。

以下はチベットについて国連拷問禁止委員会に提出された調査資料と国連委員会による中国への結論と勧告です。

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